これまで、お寺の広報活動について、「アナログな印刷物」の温かみや、「デジタル(ホームページやSNS)」の重要性など、それぞれの側面からお話ししてきました。
これらは一見、別々の活動のように思えるかもしれません。 しかし今回は、この「アナログ」と「デジタル」を連携させることで、お寺の広報活動をさらに深めることができる方法についてご紹介します。
「掲示伝道」の可能性と「紙面の制約」
お寺の広報活動の原点とも言えるのが「掲示伝道」です。 皆様も、お寺の山門前や塀にある掲示板で、心に響く「法語」が掲げられているのを目にしたことがあるかと思います。
道行く人がふと足を止め、その言葉に何かを感じてもらう。これは、古くから続く、とても尊い伝道活動です。
しかし、この掲示伝道には、一つの大きな「制約」がありました。 それは「紙面の制約」です。
掲示板という限られたスペースでは、短い言葉しか載せられません。 その言葉に心を動かされ、「この言葉の、もっと深い意味が知りたい」「出典はどこだろう?」「このお寺の住職は、どういう想いでこの言葉を選んだんだろう?」と興味を持った方がいても、従来は「掲示して終わり」で、そこから先の情報を提供することが難しかったのです。
QRコードが「アナログ」と「デジタル」の橋渡しに
その「紙面の制約」という壁を、いとも簡単に打ち破ってくれるのが、「デジタルとの連携」です。
具体的な方法はとても簡単。 掲示板の法語を記した紙の隅に、「QRコード」を印刷しておくのです。
興味を持った方が、そのQRコードをスマートフォンで読み取ると、お寺のホームページ内に用意された、その法語の「特設・解説ページ」に飛ぶように設定しておきます。
ホームページ上であれば、情報量に制限はありません。
- その法語の詳しい意味
- 出典となるお経の解説
- その言葉を選んだ住職の想いや、関連する法話
- 次の法座(法話会)のご案内
など、「もっと知りたい」「深掘りしたい」と思った方(=求める方)に対して、制限なく、好きなだけ情報を提供することが可能になります。
掲示板での「偶然の出会い(アナログ)」をきっかけに、ホームページでの「深い学び(デジタル)」へと、スムーズにご縁を繋ぐことができるのです。
あらゆる印刷物に応用可能!
そして、この「アナログ+QRコード → デジタルへ誘導」という手法は、掲示板だけにとどまりません。 当寺で作成しているものも含め、あらゆるアナログ印刷物に応用が可能です。
- 寺報 紙面の都合で短くまとめた住職の挨拶や法話を、「全文(完全版)はこちら」としてQRコードでブログ記事へ誘導する。
- 各種リーフレット 「墓じまい」や「永代供養」のリーフレットにQRコードを載せ、HPで「さらに詳しい費用例」や「お申し込みの具体的な流れ」を解説する。
- 行事のチラシやポスター 「昨年の行事の様子はこちら」として、写真ギャラリーや動画へ誘導し、参加のイメージを膨らませてもらう。
- 聖典(お経本) QRコードをシール等でつけ、「お経の読み方(音声や動画)」や、そのお経のさらに詳しい解説ページへ誘導する。
まとめ
アナログ印刷物には、「手触りの良さ」や「偶然の出会いを生む力」があります。 デジタルには、「圧倒的な情報量」と「検索性(いつでもアクセスできる力)」があります。
両者は対立するものではなく、QRコードという小さな「橋」を架けることで、お互いの長所を最大限に引き立て合う、最高のパートナーになれるのです。
皆様のお寺でも、今ある印刷物に「QRコード」を一つ加えて、情報発信をより深く、広く展開してみてはいかがでしょうか。

